『そこを何とか』をどう訳すべきか?
テレビやラジオで同時通訳を見聞きするたび、不思議でしょうがないのは、たとえば日本の要人が、ごにょごにょとはっきりしない発言をした時、同時通訳者の口から、瞬時にちゃんとした英語のセンテンスが飛び出すこと。
えっ、そのおじさん、そんなに中身のあること、言ってなかったような気がするけど、その言葉、いったいどこから湧いて出てきたんだ?と思う。
たとえば、『そこを何とか』は、
"I understand the difficulty, but I'd still have to ask you this big favor."
と見事に変換されるのだった。おそるべし、同時通訳者の技能。
言われてみれば、確かに『そこを何とか』って、そういう意味で言ってるんだよな、とちょっと笑ってしまった。
日本の社会の中でもやっと共有されている、言わずもがなの部分って、この社会の内側にいるからこそ、言語化が難しいんだと思う。
個人的には、『そこを何とか』とか言うやつはきらいだ。
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