世界の政治経済と『たこつぼ化』
フィナンシャル・タイムズの米国版のジリアン・テット編集長による講演の映像(3分21秒。日本語字幕付)が、内容も英語も簡潔・明解でわかりやすく、勉強になった。
<FT米国版編集長「SNS、世界の政治経済にうねり」>
【追記】映像記事は配信終了しました。
キーワードとなる『携帯電話』『たこつぼ化』を日本語で言うとか、ポイントを強調してわかりやすく伝える工夫も、なるほどと思う。
講演内容の要約
話の内容を要約すると、以下のとおり。
世界の政治経済を取り巻く状況の変化は、携帯電話から起こっている。携帯電話は、人々をつなぐだけでなく、『たこつぼ化』--社会的な分断を生む。
かつて、人々は権威ある存在にアドバイスを仰いていたが、金融危機の後、銀行、政府、ビジネスリーダーへの信頼が崩れ、今では多くの人が、SNSの友人など、自分と似た人の言うことを信用する。
こうした『たこつぼ化』と、働いても所得が上がらないという不満が、ポピュリズムの台頭へとつながっている。
たこつぼとは?
そもそも『たこつぼ』って?
↓実物はこちら。<画像:Wikipediaより>
言葉の意味としては、
たこつぼ(蛸壺)
1 海底に沈め、蛸が入るのを待って引き上げる素焼きの壺。
2 戦場で、兵士一人が隠れるために掘った穴。
3 自分だけ、または仲間内だけの狭い世界に閉じこもっていて、外部に目を向けないことのたとえ。「業界の蛸壺化を懸念する」
<コトバンク(デジタル大辞泉の解説)より>
講演では3の意味で、世界の人々が価値観を共有する小さなコミュニティに分断されている様子を表現している模様。
たこつぼは英語で?
そして、英語では"tribalism"という言葉が使われていた。
tribalism:【名】部族生活(主義)
<英辞郎 on the WEBより>
まとめ
たこつぼも部族も、窮屈そうだ。世界も価値観も、広々としてた方がいい。
。。と、まとめようと思ったのだけど、たこつぼの写真を見て、こんな完全おひとり様用のこじんまりとした世界に引きこもってリラックスしたい、と思ってしまった。『仲間内』以前の問題である。こんな私は、ダメダメだろうか?
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