ラジオ英会話の大西先生の声が裏返る件
NHKの『ラジオ英会話』を毎日聞いていて、個人的にとても気になっていることがある。
それは、番組講師の大西先生の声が時折、急に裏返って高くなること。
もくじ
声裏返り現象の発生事例
たとえば、付加疑問文(It’s a beautiful day, isn’t it?)のニュアンスについての解説中に、
今日はいい天気ですね。それともそうじゃない?
(※赤字部分が裏声)
というふうに、重要ポイントを強調する際に、声裏返り現象が発生するのだった。
大西先生 vs おばさん
番組を聞きながら、この現象が起きるたび、失礼ながらちょっと笑ってしまう。
というのも、私自身ここ数年、声裏返り現象が起きているから!
これはおそらく、次のような理由によるものと自分では考えている。
人それぞれ、地声で楽に発声できる音域があり、年齢とともにその音域が変わってくる。
私の場合、アラフィフに足を踏み入れた頃から声が低くなってきて、以前なら苦もなく出せていたはずの高さの声が、現在の地声の音域を越えてしまうことがある。
そのため、何かを強調しようとしたり、(数字や同音異義語で誤解がないように)くっきり発音しようとイキんだ時に、地声の上限を踏み越えて、思いがけず声が裏返ってしまうのだった。
このように、地声の音域を越えて声が裏返るという現象そのものは、大西先生と共通している(と思う)。
ただし、大西先生はおばさんではないし、意図的に裏声を使いこなしているフシもある。
大西先生 vs メイドさん
それでは、裏声を意図的に使いこなしているイメージのある、メイドカフェのメイドさんたちと比べてみると、どうだろう?
この本に、メイドさんの声を音声学的に分析した記述があった。
本書によれば、
あるメイドさんの声を音響分析し、地声とメイド声とで比較したところ、メイド声で「え」という母音を発音する際に、普通の母音を発音するときよりも声帯が大きく開き、優しい印象を与えることがわかりました。
また、文章を読むときのイントネーションを地声とメイド声とで比較すると、音が高いところではメイド声と地声で差が出る(メイド声は、高い音はより高くなる)けれど、低いところでは差が出ないとのこと。
つまり、『メイド声』は単なる裏声ではなく、音によって個別に発声を変える等、かなり手の込んだ発声法と言える。
一方、大西先生の場合、強調したい部分全体が裏返っているので、意図的に使いこなしているという点は共通しているものの、メイド声とは性質が異なる。
日本語 vs 英語
ところで、不思議なことに、大西先生が英語で話している時には、声裏返り現象は発声しないことに気が付いた。
英語だと自然と腹式呼吸になって、日本語でしゃべる時よりも声がやや低くなるせいだろうか?
もしそうだとすると、腹式呼吸で日本語を話すようにすれば、音域が低い方にシフトして、声裏返り現象を予防できるのかもしれない。
ただし、呼吸もしゃべるのも普段、無意識にやっていることだから、よっぽど意識して実践する必要がありそう。
あるいはいっそのこと、大西先生のように、持ち味となるくらいに裏声を極めるか。
こちらの方が、道は険しそうだ。
現時点での個人的結論
・大西先生は、おばさんではないし、メイドさんでもない。
・声裏返り現象の対処法として考えられるのは、
①腹式呼吸で音域を低い方にシフトする
②裏声を極めて使いこなす
・声裏返り現象はさておき、ラジオ英会話でしっかり勉強しよう。
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