猫専用動詞
フランス語関連の本を読んでいたら、おもしろい記述があった。
(動詞の語彙的性質が主語の選択に影響を及ぼす事例として)
たとえば、miauler「ニャーとなく」という動詞の主語は、まずネコしか考えられません。
うん、確かにそうだと思って、文法解説を読みながら笑ってしまう。
このmiauler [mjole](ミュレ)という動詞は、猫専用動詞といえる。
同様に英語にも、meow [miáu](【自動詞】猫がニャーと鳴く)という動詞がある。
日本語の中の猫
そして今更ながら、日本語にはこれに対応する猫専用動詞が存在しないことに気づく。
ちなみに、以前読んだ本『誰も知らない世界のことわざ』の中で、日本語のことわざには猫に関するものが多い(猫をかぶる、猫も杓子も、等々)ことが指摘されていて、日本人にとって猫がいかに身近な存在であるかを再認識した。
にも関わらず、「ニャーと鳴く」をひと言で言い表す動詞がないのは、片手落ちに思える。
参考:
猫専用動詞の提案
そこで、こういうのはどうでしょう?
ニャく。
あまりにもそのまんまで脱力を誘いそうだけど、猫独特の「肩の力抜けてる感じ」を表現できるし、ニャく、ニャかない、と語形変化して活用もしやすい。
古文にも応用可能。
ニャかず、ニャきたり、ニャく、ニャく時、ニャけば、ニャけ。
使用例
うちの殿は、仕事の電話してる時に限ってニャきまくり、電話が終わるとぴたっとニャきやむ。
また、要求事項(ごはん、おもちゃ、背中ぽんぽんしてほしい)がある時は長くしつこくニャくくせに、自分が面倒な時はこちらから呼びかけてもニャいて返事せず、寝っ転がったまま尻尾の先だけぱたぱたさせて「はいはい」とテキトーにあしらうのだった。
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