らーめんてーぶる

Lamentable(残念な、ひどい)な英語からの脱却を目指して、地味に奮闘中。NHKラジオ講座、TOEIC、1000時間ヒアリングマラソンの学習記録と感想のブログ

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カルロス・ゴーン的英語表現

1月1日から始まった、カルロス・ゴーン氏の『私の履歴書』英語版を、勉強を兼ねて読んでいるところ。(全30回の予定)

https://asia.nikkei.com/Features/Carlos-Ghosn

 

↓第1回はこちら。

<オリジナル記事:(私の履歴書)カルロス・ゴーン(1)機内から 東京・パリ…世界駆ける 多様性 私のアイデンティティー :日本経済新聞

 

日本語が先か、英語が先か?

日経新聞の名物コーナー『私の履歴書』を英訳したものとして、Nikkei Asian Reviewに掲載されているけれど、本当はたぶん、英語がオリジナルで、日本語訳されているものと思われる。(※推測です)

字数の都合なのか、日本語版はところどころ端折られているので、英語版の方が、ゴーンさん色が濃く感じられていいと思う。

 

ゴーンさん的英語表現

今日、第3回までのところで、内容や英語表現が印象的だった箇所、勉強になったところのメモ。

 

◆その1.海を渡ったおじいさん

Religious conflicts, as well as extreme poverty, made life in Lebanon difficult during the early 20th century. To escape these challenges, my grandfather, at the age of 13, boarded a boat with just a single suitcase in his hand. It took three months to get from the Lebanese capital of Beirut to Rio de Janeiro, Brazil.

(20世紀初頭はイスラム教との宗教上の対立やそこから来る貧困がひどかった。祖父もそうした状況から逃れたかったのだろう。トランク1つで移民船に乗り込んだ。首都ベイルートからブラジルのリオデジャネイロまでは3カ月かかったという。)

※日本語は日経新聞『私の履歴書』の対応箇所より

13歳でトランクひとつ、レバノンからブラジルへと旅立ったゴーンさんのおじいさん。たのもしすぎる。

英語表現としては、試練・難題というニュアンスでのchallengeの使い方と、その後、情報を付け足していくところが英語的だと思った。

 

◆その2.結婚相手を探しに

It was common for Lebanese immigrants to travel to their homeland, wed, and then return. The same applied to my grandfather. Through an introduction from a friend, he met his wife-to-be in Beirut. A few years after they were married, my father, Jorge Ghosn, was born in Brazil.
(レバノン移民には当時、適齢期になると母国に戻り、結婚してまた移住先に帰る人が多かった。祖父もそうで、祖母とはレバノンで知人に紹介されて知り合い、結婚した。)

結婚相手探しに母国に戻る、という慣習に「へー!」と思う。

"It was common for~" とか、"The same applied to~" の用法、覚えておこう。

 

◆その3.おばあさんの人物像

I remember her mother -- my grandmother -- well.  She had a tremendous influence on me. She was always well-organized and approached everything with honesty and in earnest. She was also very strict, so as a child, I didn't like her very much. I have learned in the years since that these are the kinds of people you remember most, the ones who make a lasting impression. Much of who I am is the result of who my grandmother was.
(母方の家族では、祖母がとてもパワフルな人だったと記憶している。しつけに厳しい人で、私は当時、彼女が好きではなかった。よくあることだが、嫌いだった人には「ああ、こんなに重要な人だったのだ」と後で気づかされることが多い。嫌いということの背景には何か重要なことが隠されている。それは後になってわかる。)

母方のおばあさんの描写が印象的。※英語と日本語でちょっと異なる。

日本語では『パワフルな人』と端折られてしまっている下線部の人物像(直訳:彼女は私に多大なる影響を及ぼした。彼女は常に几帳面で、何事においても誠実さをもって熱心に取り組んだ)が重要に思える。

最後の一文の英語的言い回し、覚えておきたい。どう訳すべきだろう?

『私という人間の多くの部分は、祖母その人によるところが大きい』

うーん、いまいち? 英語+日本語のセンスをみがきたい。

 

お父さんの存在感

ところで、上記のように、おじいさん・おばあさん、それから、お母さんについては生き生きと描かれているのだけど、ゴーンさんのお父さんの存在感が薄いのが、ちょっと気になる。この先、お父さんの活躍の場はあるのか?

連載のつづきを楽しみにしたい。

 

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