チンパンジーがじゃんけん
NHKラジオ『高校生からはじめる現代英語』に出てきたニュースの中で、今月いちばん印象に残ったトピック。
"Researchers: Chipmps Can Learn Rock-Paper-Scissors"(チンパンジーがじゃんけん)。
ニュースの概要
Experiments show chimpanzees can learn the rules of rock-paper-scissors. That's according to a group of researchers at the Primate Research Institute of Kyoto University. Their findings indicate chimps may be as smart as four-year-old humans.
(チンパンジーはじゃんけんのルールを学ぶことができることが、実験でわかりました。京都大学霊長類研究所の研究者グループが発表したものです。彼らの研究成果は、チンパンジーは4歳の人間と同じくらい賢いかもしれないことを示しています。)
<NHKラジオ 高校生からはじめる「現代英語」 2018年1月号 [雑誌] (NHKテキスト)>
語彙メモ:
- chimpanzee [tʃìmpænzíː]:チンパンジー
- chimp [tʃímp]:chimpanzeeを略した口語的な言い方
- rock-paper-scissors:じゃんけん
- primate [práimət]:霊長類
- indicate [índikèit]:指し示す、示す、意味する
実験内容
実験はビデオモニターを使って行われ、じゃんけんの手を表示した2つのうち、勝っている方の画像にふれると、ごほうびのエサをもらえる。
このタスクを1日に約140回、100日間続けたところ、7匹のチンパンジーのうち、5匹が90%以上の確率で正しい選択をするようになった由。
この実験、過酷だよね? 私なら絶対、堪えられない。
しかも、さらなる実験が予定されており、
The researchers plan to conduct more experiments to see if chimpanzees can learn to play rock-paper-scissors with each other.
(研究者グループは、チンパンジー同士でじゃんけんができるようになるかどうか、さらに実験を行うことを計画しています。)
とのこと。
チンパンジーの選択
もしかしたら、成績がよろしくなかった2匹は、できないのではなくてやりたくなかった、あるいは、ものすごく賢くて、あえてバカのふりをするという選択をした、とは考えられないだろうか?
チンパンジーたちの会話:
「これって、いつまでつづくんだろうな」
「このままいくと、エンドレスでじゃんけんぽん大会だよ」
「マジかよ。バカなふりして早めに離脱しといた方が、身のためかもな」
「だよな。むしろ、その方がふつうにエサもらえそうだし」
かくして、仲間のチンパンジーたちが過酷なじゃんけん実験をつづけるのをよそに、この2匹は実験から外され、平穏な暮らしに戻ることに。(※妄想ストーリーです)
動物の賢さとは?
この手の実験の話題に触れるたび、いつも思うのだけど、人間がやることを動物ができた、だから賢い、というのは、なんか違うんじゃないか?という気がする。
動物たちの世界の捉え方は、人間のそれとはまったく異なるはずで、それをじゃんけんぽんで決めるって、どうなんだろう??
参考:
↓原書はこちら
Are We Smart Enough to Know How Smart Animals Are?
- 作者: Frans De Waal
- 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
- 発売日: 2017/04/04
- メディア: ペーパーバック
猫のじゃんけん?
ちなみに、うちの殿(猫)は、じゃんけんはできないけど、めちゃくちゃ賢い♡