A Dead Secret
ラジオ英会話の<English Theater>でやっていた、小泉八雲の『A Dead Secret(葬られた秘密)』。
『Kwaidan(怪談)』の中の一作品で、秘密の真相ははっきりとは語られないのだけど、それゆえ、かえって色々と想像させられて、じわりと怖いお話だった。
あらすじ
商家に嫁いだおそのという女性が、結婚から4年目に、幼い男の子を残して亡くなってしまう。
葬儀の翌晩から、おそのは幽霊となって現れ、自分の部屋のタンスを物欲しげにじっと見つめるのだった。どうやら、そこに何か気になるものがあって、成仏できないらしい。
家族から相談を受けた菩提寺の住職が、その家を訪れ、おそのの幽霊に手助けを申し出て、気がかりを解決。
おそのが成仏できないほど気に病んでいたものとは、引き出しの裏張りの下に隠されていた、恋文であった。
結婚する前、おそのは京都に修養に出ていたことがあった。おそのの父親が、賢く器量もよい娘に、都の教養と礼儀作法を身につけさせようと、信頼できる従者たちをつけて、京都へ送ったのだった。
恋文は、その頃のおそのに宛てて書かれたものであった。手紙は燃やされ、その内容を知るのは住職のみ。秘密は住職の死とともに、永遠に葬られた。
お父さんの失策
※事の真相は読者にゆだねる、という形で話は終わるので、以下はあくまで個人的な推測です。
器量よしの娘に『信頼できる従者たちをつけて』、京都へ送り出したのは、失策でしたね、お父さん。。と、問題の恋文が発見された時、思った。
でも、住職が秘密を守ったことで、残された男の子が、おそのの婚家で無事に育てられていきそうなのは、せめてもの救いか。
英語でなんて言うのか
このようなストーリーなので、当然ながら、純和風なモノやコトがたくさん登場する。たとえば、仏壇とか、成仏とか。以下、「へー!」と思った純和風の英訳メモ。
- 祭壇、仏壇: shrine
- 菩提寺: parish temple
- 着物と帯: robes and girdles
- 成仏する: find rest
- 住職: chief (head) priest
- お経: sutra
- 裏張り: lining
典型的な日本の幽霊
それから、「脚がない」と描写されている、おそのの幽霊について、番組中にJeffさんが、
"Japanese typical yurei."
と言っていたのが印象的だった。
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